pink heart様より頂いた小説です☆
以前(9/27)にアップした生徒会長&副会長の眼鏡フェ風イラストから書いてくださいました。
続きからどうぞ♪ 『CLAMP学園生徒会《フェ風編》』第一話
「今回のテストも俺が一位だったな、フウ」フェリオが言う。
「私は自分の為にお勉強をしています。なので勝負には拘っておりませんわ」フウが言い返す。
「そんなの逃げているだけだろう?だから万年2位なんだよ」
「ええ、構いませんわ。私は成績で人を見下す様な淋しい人間にはなりたくないので」
2人の目から火花が散る。
ここはCLAMP学園の生徒会室。
先程まで和やかだった空気がピリピリし出す―。
「また始まったよ…」生徒会の一員のアスコットが呟く。
「放っておきなさい!今に始まった事じゃないんだから!」同じく生徒会の一員のウミが呆れながら言う。
「まぁまぁ、お二人共落ち着いて下さい。新生徒会長のフェリオくんに新生徒会副会長のフウさん」イーグルがニコッと笑って言った。彼は生徒会長であったが、三年生になりその座を先日フェリオに譲ったばかり。
「なんでイーグル先輩が居るんだよ」フェリオが不満そうに言う。
するとイーグルはまたニコッと笑い「フェリオとフウのこのやり取りを1日1回見ないと落ち着かなくて」と言うとフェリオとフウは頬をかすかに赤く染めた。
「確かに~!今や2人のやり取りは生徒会の名物だもんね」ケラケラ笑いながら言うウミにフウが顔を赤くしながら「ウミさん!」と抗議の声を上げる。
「僕は不安だよ…いつも丸く収めてくれてたイーグル先輩やクレフ先輩が居なくなると誰が2人を止めてくれるんだよ…」アスコットが呟く。
「大丈夫よ!ほら、『喧嘩する程“××××”』って言うじゃない?」ウミがおもしろおかしく言うとフェリオとフウがウミの方を同時に向き声を揃えて言った。
「仲良くない!」
「仲良くありませんわ!」
「ほらね♪」ウミがすかさず言う。
アスコットとイーグルは感心してフェリオとフウを見る。
またも赤面する2人…
「ほら!さっさと仕事するぞ!」
「そうですわ!仕事しましょう!」
2人はごまかす様に仕事に逃げて行った。。。

後日、ウミとアスコットとイーグルの3人は放課後の廊下を歩いていた。
ウミとアスコットより一歩先を歩くイーグルが振り返り歩きながら2人に話しかける。
「すみませんね。お2人に仕事をお手伝い頂いて」
ウミもアスコットもそれぞれ「どういたしまして」と答えた。
「本当はフェリオとフウにやってもらうつもりだったのですが、見当たらなくて」
「そう言えばどこ行ったのかしらね?」ウミが言うと急にイーグルが止まった。
「どうしたの?先輩?」ウミが聞くとイーグルは2人に向かって人差し指を口に当てている。どうやら静かに、と言う事らしい。
ウミとアスコットが不思議そうな顔をしていると、イーグルは無言で通り過ぎようとした教室の中を指差しニコッとする。
ウミとアスコットが無言でその教室の中を覗くと――
フェリオとフウが居た。
2人は窓際の真ん中の席に前後で座っていた。フウが座る席の前にフェリオがフウの方を向いて座っている。
ウミとアスコットとイーグルの3人は2人に気付かれない様に隠れて中の様子を伺う。
2人は書類をホチキスで留めて冊子を作っていた。
「お前さ、もっと人を頼れよな」
「でもフェリオの帰りが遅くなってしまいますわ」
フウが申し訳なさそうに言った。
「こんな量を一人でやってたらいつまで経っても帰れないぞ?」
確かに結構な量の書類が机に山積みにされていた。
「でも…」それでもまだ申し訳なさそうなフウに
「俺の事はどうでも良いんだよ。ほら、さっさと手を動かせよ」
「ありがとうございます」フウがニコッと笑いながらお礼を言うと、
フェリオは無言でフウに笑い返した。

その様子を見ていた3人は2人にバレない様に自然と来た道へと引き返し歩き始める。
「なんだかんだ、フェリオはフウに優しいのよね」
ウミがため息混じりに呟く。
アスコットもイーグルもウミのその言葉にニコッと笑う。
「フウは一年生の時からフェリオに片思いしてるのに…あんな優しさを見せられたら、フウも期待しちゃうわよね?」
ウミの言葉にイーグルもアスコットも思わず足を止めた。
「どうしたの?2人とも…」
「ウミもフウも、気付いてないの?」アスコットが聞く。
「何が?」
「フェリオの気持ち…」アスコットはつい言ってしまったが、
「どういう事?」とウミは全く気付いていない様子。
そのやり取りを見ていたイーグルが笑いながら
「今期の生徒会には鈍い方が集まりましたね」
と言い、続けてアスコットに向けて
「アスコットの恋も、前途多難かもしれませんね」
と言うとアスコットは顔を真っ赤にする。
その様子を見ていたウミの頭にはさらに?マークが浮かぶ。
「こちらの話です」
とウミにニコッと笑いながら言うと、再び歩き出すイーグルであった。。。
スポンサーサイト
コメントの投稿